早いものでウィメンズネット・こうべの活動を始めて30年になります。
1991年に「兵庫県に女性センターをつくる会」から始まり、92年に元町の大丸デパートの近くの居留地ビルの1室でウィメンズネット・こうべが誕生しました。
最初の活動はCR(コンシャスネス・レイジング 意識覚醒)でした。6~7人で語り合うなかで、「女性の生きづらさは決して個人的な問題ではなく、社会的な問題なのだ(personal is political)に気づく作業でした。そこからさまざまな活動が生まれました。93年に生き方で悩む女性のための情報誌「兵庫発 女の伝言板」発行、94年春「女たちの家」の開設、そして95年、阪神淡路大震災に遭遇し、女性支援ネットワークを立ち上げ、被災女性の支援を行いました。
震災を契機に、DV被害女性の支援に取り組むようになり、2004年にシェルター「ともだちの家」を開設、その後も継続して家庭訪問や生活再建支援を行っています。
2006年からは、中高生等若い人のためのデートDV防止教育を行うようになり、受講生徒は25万人に上ります。
2013年にはさまざまな困難や孤立を抱える女性のための居場所「WACCA(わっか)」を神戸市内に開設、シングルマザーの支援やDV被害女性の中長期的支援も行っております(毎年延べ千人が利用)。
DVから逃れるには安心して暮らせる住まいが不可欠だとの思いから、2019年には居住支援法人の資格を取得し、住宅取得が困難な女性の家さがしやその後の支援も行っています。
当団体の活動の目的は、女性がもっと自由に、もっとのびやかに生きられる社会、暴力に苦しむ人のない社会、ジェンダー平等社会の実現です。DVやデートDVは Gender Based Violence (ジェンダーに基づく暴力) と言われており、DVを根絶するにはジェンダー平等が不可欠です。ご存知のように、日本はジェンダーギャップ指数が世界120位(153ヵ国中)。特に政治への参画が低く、147位(153ヵ国中)です。社会への意思決定の仕組みがこれまで男性中心につくられてきた国です。
SDGs(2030年に向けて誰も取り残さない社会をつくるための開発目標)の5番目の目標としてとしてジェンダー平等が入っています。昨今のSDGsへの関心の高まりを追い風にして、日本のジェンダー平等社会実現に向けてこれからも積極的に取り組んでいきたいと思っています。
末筆ではございますが、これまでの皆様の応援・ご支援に改めて感謝いたします。どうぞ今後とも息の長いご支援・ご協力をいただけますよう心よりお願い申し上げます。